「選び出されたしもべ」
2023年の礼拝ではローマ人への手紙を読み進めていきます。この手紙はパウロが紀元57年にローマにいるキリスト者たちに向けて書かれた手紙です。1~11章は信じるべきものについて、12~16章は信じる者の生活と態度についてが中心に書かれています。
キリスト者としての土台を知るうえで大きな手掛かりとなるこの手紙の始まりは、しもべとして選び出されたということでした。パウロは神の福音のために選びだされた、イエスキリストのしもべであると自分を紹介します。
加えて、ローマの信徒たちに向けて、あなたがたも召されてイエスキリストのものとなったと語ります。キリストのものとはその所有物である奴隷、すなわちしもべとなったということです。
パウロだけでなく、信徒たちもまたしもべであるならば、それぞれの役割はどのようなものでしょうか。パウロは福音のために使徒として召されましたが、私たちも同様に、福音に仕える使命があります。
この福音の中心でありすべてであるのが、イエスキリストです。キリストが十字架に死に、3日目によみがえられたことによって私たちに赦しと救いを与えられました。この福音の出来事とその結果を受け入れることがキリスト者の信仰であり、救われた聖徒としての歩みが与えられています。
神はパウロと同様に、私たちが信じる前から予め福音のために選び出され、しもべとなるように働かれています。私たちも自分の生活の傍らで福音に時間を割くのではなく、生活全体が福音に仕える者となっていく時、福音の恵みに満たされた幸福を感じるでしょう。