7月21日
2階で作業をしているとき、一息つこうとして下へ降りていくと、妻が傘をさして道路脇に立っていました。よく見るとその傘は自分ではなく、一人の女性の上にありました。大粒の雨が降りしきる中、傘をさしながら、その女性の話を聞き、見守っている姿がありました。
戻ってきた妻に話を聞くと、その女性は認知症の高齢の母親と一緒にバスに乗ろうとしたけれども、カバンの中に探し物をしていて目を放した隙にいなくなっていたそうです。周りを見渡してもいないおらず、周辺の人に尋ねて得た情報を頼りに坂を上ってきたそうです。
玄関先で散歩をしていた妻は誰も坂を歩いて上ってきていないことを知っていました。女性に尋ねられたときに、傘をさしながら、女性のそばに寄り添い、話を聞いていました。そしてどうすることもできない彼女に「警察に言ったほうがいいですよ」と提案したそうです。
彼女が警察に連絡するとまもなく、バス停近くのコンビニで見つかったと連絡が入り、教会の駐車場まで迎えに来ました。
彼女を見送って戻ってきた妻に尋ねました。
「どうしてずっと隣で傘をさしていたの?」
すると妻はこのように答えました。
「彼女は震えていて一人にしておけなかった」
焦りと不安で落ち着くことのできない人の隣にいる人としての愛と憐れみ、そして他者を頼る判断が、親子を再会へと導いたのでした。
あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。
わたしは主である。
レビ記19:18