「信じる者になりなさい」
近年は教会以外でもイースターのイベントを行うようになってきています。とても楽しい雰囲気を感じられますが、そもそもイースターの楽しさ、うれしさはどのようなことから来ているのでしょうか。また、よみがえられたキリストが伝えたかった気持ちは何でしょうか。
トマスはイエスが弟子たちの前に現れたときにいませんでした。その時、自分だけが見ていないことに複雑な感情が芽生えていました。イエスのよみがえりを全く信じていなかったわけではないでしょう。しかし、彼の中にある否定的な思いによって認めたくない頑なさを生んでいたのです。
すると、よみがえられたイエスがトマスの前に現れました。初めは弟子たち全体に声をかけていたイエスが、今度はトマスだけに向かって直接語られました。「信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」
その時、トマスの目線は周りの人々ではなく、イエスに一直線に向いていました。余計なものによって自らの心をふさぎこむのではなく、イエスをだけを見てその事実を受け止めなさいと語られたのです。
トマスはよみがえりの主と出会い、「わが主、わが神」と告白し、その事実を信じ、受け入れました。
トマスと同じように、神さまとの関係を他者との関係の中で相対化させてしまうと、本来信じていることさえも受け入れたくない姿勢をとってしまうことがあります。
しかし、私を見なさい、触れなさい、と声をかけられたように私たちもキリストのみに目線を向け、信じ受け入れる者になりましょう。それがよみがえられたイエスキリストの願いであったからです。