「信じて義、口にして救い」
今年の年間聖句は「みことばは、あなたの近くにあり、あなたの口にあり、あなたの心にある」ですが、パウロはどのような思いでこの言葉を口にしたのでしょうか。
神の憐れみによって生かされてきたイスラエルに対して、神への熱心をはき違えていると語ります。自らの義のために熱心になるあまり、神の義に従わない様子が彼らにはありました。
パウロは、律法の目指すものはキリストであり、みことばの目指すところもまたキリストであることを示します。どのような行いをする者が天の御国へ行けるのかと議論することは、信じる者のために贖うキリストの十字架を無にしてしまいます。
みことばはあなたの近くに、あなたの口に、あなたの心にあると語るその真意とは、キリストが到来し、私たちとともにいてくださるその距離感に気付くことであり、教えと掟を通して神の御心を理解し、受け入れることであり、神との人格的な関係を持つことなのです。
その上で、神の御心と働きを信じることで神の義とされる約束が与えられ、口にし、誓うことで救いの確信が与えられるのです。この約束と確信は自分だけのものではなく、その告白を聞く者に救いの道を示す、宣教へとつながります。
これらの告白を宣べ伝える人と遣わす人が必要だと語る一方で、伝えようとしても受け入れない者たちに対して、みことばが届いていないのでも聞いていないのでもなく、キリストを神ではないと拒んでいるのと同じだと指摘します。
キリストへの信仰を口にすることは救いへ導く第一歩です。