「わが巌、わが砦」
歳を重ねることを考えると小さい子どもは成長をイメージしますが、高齢になるにつれて若い頃には考えもしなかった不安や悩みが出てくることでしょう。
詩篇71篇は老いのための詩篇と呼ばれています。私たちがいつ「老い」を受け入れ、またどの部分についての「老い」を実感しやすいかを思い浮かべながら、老いることの恵みを考えましょう。
この詩篇は救いを求めるところから始まります。人生の中で大きな危機を迎える時、自分の寄り大きく、安全なところに身を避けようとします。そこで著者は主を避け所としました。主は何によっても壊されない安全で頼りになり、受け入れてくれる方だと告白したのです。
それは危機に陥った時にある衝動的な信仰ではないと続けて語ります。主は生まれたとき、生まれる前から私たちに働かれ、私たちの人生の土台となっており、それは年老いても変わらないこと宣言します。
人生の中で一時的に主から離れてしまったこともあったかもしれません。その時に倒れた自分を主は恵みによって再び主に生かされるように立ち返らせてくださりました。
地の深みから再び引き上げられた者は「肉体」ではなく、「信仰」によって生かされていく人生へと変えられます。そこには神を賛美し、神への信仰を告白する歩みがあります。年老いても、肉体は信仰に生きる歩みを止めることはありません。
歳を重ねる時に自分の岩にすがるのではなく、主という偉大な岩を頼れることに感謝しましょう。そして神をほめたたえる喜びを感じながら、神との関わりに生きましょう。