ことばの栞 20231112

「つまずきに警戒せよ」
 いよいよローマ書のメッセージも最後となりました。パウロは注意喚起と仲間からのあいさつ、そして神の祝福を願い、この手紙を閉じます。ただし、最後の祝福の部分は聖書の異本の中には無かったり違う場所に記されていたりと、不確定な要素があります。
 そのため、ここではつまずきとあいさつについて考えることにしましょう。兄弟たちに向かって、学んだ教えに背いて分裂とつまずきをもたらす者たちを警戒せよとパウロは注意喚起をします。

 つまずきや分裂は人によって与えられます、みことばに対するものではなく、仲間だと思っていた人や、親しい人からも与えられることがあるのです。
 そのような者たちへの対応策として、遠ざかることを勧めます。つまずきかどうか、分裂を起こすかどうかの判断基準として、誰に仕えているかをその言葉から見極めることを求めます。彼らは頭であるキリストではなく自分のはらわたに仕えているため、聞く者の心を滑らかな言葉によって流そうとしているのです。
 しかし、そのような者たちに対して立ち向かって戦えとは言いませんでした。戦うことで分裂がさらに大きくなるからです。人によって与えられるつまずきは避け、へつらいのことばも受け流しましょう。

 手紙の最後にパウロの仲間からのあいさつを記されています。それにより、宣教者として見えるパウロの背景には多くの同労者と祈り手と支え手がいることを証しされ、主に仕える者を励ましているのです。
 主に仕える者の信仰は和解と希望をもたらします。結果ばかりを追い求めて自分のはらわたに仕えることにならないように省みましょう。