光テラス No.83

11月17日
 久しぶりに姉からビデオチャット(テレビ電話)がかかってきました。応答するとそこには甥っ子の姿がありました。どうやら甥っ子が画面をいじっているうちに、私に電話をかけてしまったようです。
 特に出産を控える妻のこともあり、せっかくなので、姉が出産した時の話を詳しく聞くことにしました。
 自然分娩なのか帝王切開なのか。出産後の大変さはどうなのか。生まれたての子どもの姿を見たときはどう思ったのか。母親にしか味わうことのできない経験をいろいろ聞くことで、妻に対して気を配ったり、現実的な課題を知ったりすることができた尊い時間でした。
 会話の後半になり、姉から私に向けて質問が投げかけられました。

「お父さんになる?というかお父さん?という感覚にいつなるの?」

 この質問をきっかけに私は、改めて妻のお腹の中にいる子どもとの関係について考えることにしました。妻は出産のためにお里帰りしていることもあり、今は私と子どもとの関わりはわずかになりました。
 一方で、お腹の中にいる子に呼びかけて反応が返ってきたときの喜びや、お腹に顔を当てて、子どもの動きを肌で感じていた記憶が思い出されてきました。そして私はこう感じました。

『あの子との交わりが恋しい。また直接声をかけて反応に喜びたい。』

 この気持ちは父親としてのものかはわかりません。しかし間違いなく、まだお腹の中にはいるけれども、わが子に対しての直接的な感情が芽生えた瞬間でした。今、改めて姉にこう答えを伝えたいです。

「生まれる前から我が子だと私は実感しています。」

    主は、生まれる前から私を召し、
    母の胎内にいたときから私の名を呼ばれた。
                  イザヤ49:1